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2012/2/13

 PAWARA号の朝は早い。起床は6:30。この時間になると船内にタイで流行ってるロック調の
 楽曲が大音響で鳴り響くのだ。勿論タイ語なので何言ってんだかわからんがレゲエ調で
 笑ってしまうんだけど毎日聞いているといつの間にか口ずさんでしまっている自分に気がつく。
 あと数日いたらマインドコントロールから脱出不可能になるところだった。
 聞いてみて→ job 2 do 「doo doo doo」

 1日のスケジュールは、起床6:30 コーヒーとバナナ 7:00ブリーフィング 7:30 1本目EN 
 8:30EX 8:30〜9:30朝食  *島上陸を2日間行う 2本目EN 11:00 EX 12:00 12:30昼食 
 15:00 3本目EN 16:00 EX 16:30軽食 17:30 4本目EN 18:30 EX 19:00 ディナー。

 おおよそこんな具合で毎日がすすんでいく。起きて潜って食って潜って呑んで寝ての繰り返し。
 部屋〜デッキ〜2階デッキ〜アッパーデッキ それぞれの距離は50歩くらいしかない正に
 ダイバー天国だった。初めてのダイブクルーズで初インド洋のダイビング。
 しかし楽しみよりも撮影機材の不調が気になるのオヤジなのでした。
 
 1本目 ウエスト・オブ・エデン 

 船尾のデッキからジャイアントでENするのだがポイントに設置してある巨大なブイにつなぐ時と
 出来るだけ浅瀬に寄り合図のブザーで一気にENする時がある。未経験者はちと辛いか・・・。
 幸いうちのメンバーはみな500本超えのベテランばかりで安全面での心配は・・・少しで済む。

 ENして潜航直後カメラが作動しないことに気付き、ただの荷物と化す。仕方なしにワイド付きの
 コンデジのみ撮影したが周囲はひとりとして気にはしていない様子だった。
 透明度は40mほどか・・・とってもクリアな水。シミランはどこに潜ってもタカサゴ類の群れが凄く
 その群れにロウニンやカスミが突っ込むのはごく普通のシーンである。
 このウエストオブエデンもタカサゴ類のイエローバックフュージュラーやランドールフュージュラーが
 普通に群れいる。この仲間は結構好きなのでインド洋の種は以前から見たかったんだよねぇ〜。
 そして岩盤には無数の腔腸類。

 ボトムの25mから徐々に下る地形だけどそこにも無数のヤギ類がずっと生えてる。ん〜すごい。
 こういう風景は地元ケラマにはないので興味津津。ハナヒゲウツボygやクマドリカエルアンコウ
 などをみな行儀よく撮影している。シミランは国立公園内でサンゴやその他生物の上に着底は
 まかりならんと酸っぱくなるほどの事前説明をちゃんと守ってるのである。偉いぞ!
 ハウジングの使えないオヤジはダイバーより大きなヒイラギとか初めて見たコーラレバタフライを
 ワイドで撮影し、これまた初見のインディアンダスキュラスやアンダマンドティなど指をくわえて
 観察したのだった。インド洋なのでそれなりに色彩が違っていたりする個体も多く、
 いちいち「おっ」とか言ってみていると、顔はクギベラだけど色彩がニューギニアベラygのような
 のを見つけてEXしたあとガイドの大村さんに聞いてみると「いきなりソレですか」と褒められた(笑)
 その後図鑑で照らし合わせてクギベラygと判明。
 
 約60分間、クリアで魚だらけの楽しいひと時をすごし浮上。お迎えのゴムボートにハウジング等を
 乗せ手ぶらになったところで船にひろってもらうと言う段取りだけど、船が巨大で当然あまり
 寄れないので船尾デッキから放たれるブイ付きのロープに全員がつかまって引き寄せてもらう
 という手法だった。
 船尾には大きめのラダーが2つあってそのうしろに巻き込み防止柵が設けられているので安心。
 那覇のデカイ船もこんなの付ければ巻き込み事故が少なくなると思うけど・・・。

朝焼けに照らされる器材。夜のうちにセットされているのだ。 毎日のスケジュールはこのボードに書かれる とてもしっかりしたブリはみんなも真剣に聞くんだね 母船へ引っ張られるわたしたち(^^ゞ



 船に揚がって着替えてまずはコーヒーをいただいてから1階キッチン前に並んでいる朝食を
 各自選択し2階デッキのテーブルについて朝食になります。トースト、クロワッサン、ソーセージ、
 ハム、卵、シリアル、チキン雑炊が毎日並んでいる。雑炊美味しいんだけど、ソーセージがとっても
 美味いのでついパンを取って人のを見て雑炊へいけばよかったと後悔する。
 みんな両方食べてたけど、オヤジはそんなに食べたらイカンのです(笑)
 今日は朝食後に島に上陸。なんて島だっけ?母船からディンキー(船外機ボート)でビーチまで
 行きますが、膝くらいの深さでボートを留めて降りる。ビーチ到着時不安定なボートから踏み外し、
 ちゃんとイワイ嬢は転んでびしょ濡れになります。
 
 この島には観光客の宿泊施設などもあって、整備された散策路を行くと島の裏側にも出られたり
 木にブランコがあったり、コウモリがたくさん寝てたり・・・楽しそうな島でした。
 小1時間のんびりした後母船に戻って2本目のブリーフィングが始まります。
 

 2本目 アニタス・リーフ
 
 砂地に根が点在するポイント。砂なのである程度は着底したり腹這いになっても良いとのこと。
 初のオーロラシュリンプゴビーに群がる姿がまるで首相のぶら下がり取材のようで笑えるが
 笑ってる場合じゃない。自分も撮らねばならぬので他の個体を探して撮影。
 眼からの赤い垂下横帯がきれい。インド洋版イナセギンポのインポスターブレニーとそれに擬態する
 インド洋版オウゴンニジギンポのスミスズブレニー。太平洋のソレと全く同じことをしているのが
 とても不思議で、やっぱり1個所から拡散していって持ってるDNAを生息地域に合致させたことが
 良くわかる例だ。稀種と書かれたセイテンベラがわんさかいるのもすごい。クジャクスズメダイや
 ハナダイギンポが綺麗だったんだけど眼がシバシバするっていうか、ピント合わせにエラく苦労した。
 いよいよ駄目なのか?

   こんな感じで朝食を頂きます。絶好調なウニ妻(ーー;) 新婚旅行みたい・・・ケッ。 ケラマ並みにすごい透明度でしょ?


 2本目上がってから昼食になる。潜って上陸してまた潜ってもまだ13時。これがクルーズの利点だな。
 今度は2階デッキのカウンターに料理がならんで順番に好きなものを取ってテーブルについていただく。
 昼食にはタイ米、ヤキソバ、野菜と肉または魚介の炒め物、デザートなどが並ぶけど、何かが辛いので
 無造作に食べると痛い目にあったりする。写真のピントが思うように行かないので心の底から
 楽しめずにいたオヤジである。つぎは早くも大本命だというのに・・・。
 
ひとつの皿にいろんなものを盛ってるのは洗い物を増やさない配慮もある。
なんかバリのナシチャンプルーを思い出すね。クルーズでご飯が不味いと
最悪なことになりかねないし、どれも美味しくて良かった良かった。

 3本目 エレファント・ヘッドロック

 正統派プロレスの技のような名前だけど、水面から露出したいくつかの岩が象の頭と鼻に見えると
 この名がついたようで、見方によっては見えないこともない。ここは大本命でテーマになっている
 マッコスカーラスが棲息するポイント。しかし出発前にPENNANT Wrasseという珍しいイトヒキベラが
 いることを確認済みだったので浮気心が激しく芽生えていた。目的の水深は30m!3本目に30mは
 キツいがやる時はやらにゃイカんばい!と偽九州男児になって意気込んで見たものの、
 なんせ物凄いスピードでかっ飛ぶので教授受けて認識は出来るけど全然追いつかん。
 それに加えてピントが合わないしマッコスカー行けば遠いし、黄色いアケボノハゼすらまともに
 撮影出来ない。だって、夕方で暗くて動きが早いし、深くて時間もないんだもん(T_T)。
 と、言い訳を並べておけば許してもらえるじゃんね。
 
 つまりは全然撮れていないのであるから「マッコスカーって別のポイントにいないの?」って聞いたら
 「いません」という返事。えっ?いっぱいいるって聞いてけど・・・ガセネタだったのか。

 ベラ地獄から脱したあと流れに逆らって泳いでいて、ふととなりのウニ妻をみると・・・レギから
 泡以外のものが多量に噴出しています。ほら、だからあんなに調子に乗ってるから。でもこれで
 去年新婚旅行でいったベネチア・サンタルチア駅前の大運河にゲロして以来の大快挙だね(笑)

 他にアンダマンダムセルや初ワヌケヤッコ、イヤースポットブレニーなどがいて楽しいポイントでした。



 上がって着替えてから今度はおやつの時間。クルーズは4食4本が基本です。おやつといっても
 出てきたのは巨大なハンバーガー。これは一緒に参加しているヨーロピアン組に合わせた物だな。
 PAWARA号にはオケツアー7名、個人ツアー5名、EU系が5名いて日本人は大村・水田・ミホコが
 担当しEU組にはピンクフロイドのギタリスト・デビッドギルモア似で首の後ろに「忠」の文字の刺青を
 持つイントラガイドがついていた。カナダからのダイバーもいて海外クルーズは国際色豊かである。
 
 PAWARA号にはたくさんの図鑑があって今見た魚種などをすぐに確認できたり、ガイドとその種に
 ついて話合ったりできる。4本目に行く前、ガイドの大村さんから「シシマイギンポだと思うんですが
 見てください」と言われ「OKまかっちょけぇ〜」と実物もみたことないくせに請け負ったのでした。

 
 4本目 ディープ6

 トップ会談の結果減圧停止も出てたし最大を12m以浅、平均8mで50分程度にしましょうという
 ことになっていた。ENして間もなく大村さんはシシマイギンポらしきものを発見し指さすが余りにも
 小さくて肉眼では識別不可能。100mmレンズで覗いてみても識別不可能(笑)仕方なしに撮影し
 拡大して確認することにしたが、浅くて垂直な岩盤でつなまるところもなく微妙な揺れでもピントが
 外れるし個体が小さくて1度外れると見つけるも苦労する。
 なんとか正面を3〜4枚撮ってはみたけれど・・・。まず間違いなくシシマイギンポであろうと水中でも
 伝えたりして盛り上がってたら、みんなもやってきて撮り始める。気がつくと日も沈んでサンセットから
 ナイトへとなりフュージジュラーなどが寝にわんさか帰ってきたりするシーンなど堪能してEXとなった。

 上がってからはシシマイギンポで大いに盛り上がり、小笠原と屋久島でしか見つかってないんだよとか
 ケラマじゃまだ見つけてないとか言ってたら「ねぇねぇ、あれオマツリギンポだったの?」ってイワイ嬢。
 さらに大盛り上がりしたのでありました。ま、どっちも目出度からいいやね。
 帰国後Dr.瀬能氏に伺ったところ「太平洋〜インド洋まで分布は広く、斑紋などが写ってると良い」との
 ことでした。自分のも正面のみなのでガイドの大村さんに身体の写真撮影を託しましょう。


 お楽しみのディナー。メインはフィッシュフライと何か・・・忘れちゃった。黒霧もだして宴が始まるが
 オヤジはなんだか疲労困憊で先に寝てしまいました。。。zzzzzz


                                      つづく    ページの先頭
角度によっては本当に象の頭と鼻にみえる キングバーガー並みにでかい ピントがあってない(ーー;)