HOME No1 No2 No3 No4 No5 No6

 
朝トリスくんの目覚ましで起きた。赤道近い熱帯特有の湿気を大量に含み朝の冷えた空気が心地よい。
 いつものように水を飲み朝日を浴びているとトリスくんは散歩がてらレストランへ向い、アサイちゃんも続いた。
 オヤジは1回目のウンチをしてからノンビリ歩いてレストランへ行くと、既に2人は席に着きコーヒーを飲んでいた。
 眩いばかりの朝日に照らされたテーブルに着くと若くてピチピチのウエイトレスがやってきて「コピ?」と言う。
 何の事か判らずキョトンとしていると「コーヒーのことをコピって言うみたいだよ」と教えられた。
 若くてピチピチの娘は何故か学校制服を着ていて動きもギコチなく、コピを入れる手もやや振るえていたので
 あれは高校生のバイトであろうという見解でオヤジ3名は一致した。緊張顔から時折見せる笑顔が可愛くて我々は
 気に入ってしまうが、ポーカフェイスのアサイちゃんの気に入り方は尋常ではなかった。
 ● 第1日目 トランバン ドロップオフ×2ミンピ前  気温30度 水温27度 メチャ晴れ ベタ凪
 
 初日1本目いきなりドロップオフである。集合はミンピのレストラン横でそこからウエイトを付けハウジングを持って
 ゾロゾロと60m程徒歩で行くと漁船が何艘も陸揚げされた所に運び屋が運んだセッティング済みのタンクがある。
 大きめな玉砂利で足場が不安定だがタンクを背負い腰辺りまで歩いていきフィンを履く。全員OKでいよいよ潜航だ。
 予想を遥かに上回る透明度の高い水中に太陽の強烈な光線が差し込んでくる。あぁ、これこれ、これだよね。
 浅場は小さめの玉砂利の斜面でインドネシアンダムセルとヤノウキホシハゼがゴチャといる。両方ともとてもシャイで
 中々寄せて貰えない。まぁ、帰りで良いか・・・これでいつも失敗しているのに、懲りないオヤジである。

 玉砂利の斜面の浅場をドロップオフ方面へノンビリ泳いでいく。1本目だしちゃんとみんな付いて来ているか確認。
 玉砂利からやや砂泥になり、ドロップオフの始まりに着くと急に魚の種と数が増える。やっぱりスズメダイが目に付く。
 −15mでは真黒な判別不能なヤツやいつものタルボッツが居て、底にはネオンピグミーゴビーが蝿みたいにいる。
 1本目の狙いはツースポットアンティス。スミレナガハナダイの角斑紋がないヤツと覚えておけば識別できる。
 ツースポットの婚姻色も狙っていて、確認した時点では婚姻色を出ていたけど撮影し始めたら消えてしまった。残念。
 3年前より♂の数が少ない気がしたが、近距離で撮れたので良しとする。
 水深が35mでやや深いので徐々に上がっていくとコーナーにフチドリやアカボシ、オオテンなどのハナダイ類が
 普通に生息しているのでとても羨ましい。こんなドロップオフがあったら毎日通っちゃうよね。

 浅場の棚はスズメダイyg達の独壇場である。メインのクロスygを初日1本目で見付けたようでみんなが観ていた。
 撮影は順番待ちが入っているので近くを探してみると1.5cmほどの幼魚を発見。撮影に入るが傍に居るハナミノ
 カサゴが気になってあまり集中出来なかった。だって、どんどん寄ってくるんだもん。
 帰り道浅場でギンガメの集団がいたり、でかいカスミアジも何匹か観た。大物づいている予感がした1本目であった。

 ミンピに戻りハウジングをプールに沈めて潮抜き。レストラン横の日陰で頂いたミネラルやジュースを飲みつつ
 小1時間休憩をする。満足感と失敗感、充実感が入り混じる不思議な時間が流れる。山田くんが持参したいくつもの
 分厚い図鑑などで見て来た魚を同定したり次の狙いを確認したり、フィルムの入替えなどでマッタリとしていると
 2本目の時間である。2本目もドロップオフへ行くというので必然的に各自狙いは決まってくる。アサイちゃんは
 オリビアシュリンプのリクエストを出したが「んー、いるかなぁ〜」とちょっと頼りない返事をするガイド山田であった。

 
さっき潜ったばかりで勝手知ったる何とかのように散らばり始めた。流石にツースポットに行く者は居なかったが
 棚下25m辺りでハナダイ狙いが多い中、オヤジは−30m付近のレイズダムセルに良く似たヤツを撮影する。
 あとからもっと浅い所にいるのが判るが、「それはそれ」だ。浅場では先ほどの休憩時話題になったクロスygに
 殺到している。オヤジが行った時にはヤマナシ妻が撮影していた。前回のマクタンでニコンD70だったのが
 今回新たにCANON KissDNに変わっている。Kissは妻専用らしくハウジングもジリオンで高価だ。でもこれで
 ヤマナシ夫は好きなだけ使えるので目出度いことである。羨ましくも一家で2台・・・森山家も1台位欲しいものだ。
 やや深い所でトリス君に教えてももらったスズメダイ不明種yg(あとでレイズと断定)やヤマブキygなど撮影。
 浅場でさっきのギンガメを撮る為にワイコンを用意したのでトルネードの中に突っ込んで見たが、あまりにも浅くて
 体が不安定になりちゃんと撮れなかった。傍をドでかいロウニンアジがコチラを見ながら通っていく。大物であるが
 撮影するにはちと遠かった。。。悔しさがやや残る2本目である。
 
 またミンピに戻り今度はランチ。潜水時間があまりにも長いので時計は既に2時に近い。ランチはミンピのレストラン
 で頂く。今日はナシゴレン。久しぶりで食べるナシゴレンは味わい深く、強烈な太陽光線が冷えた体を温めてくれて
 心地よい。みんなの笑顔も最高のスパイスだ。食った後またしてもマッタリと子1時間過ごし3本目の準備である。
 今度はミンピ前からENするポイントとドロップオフとどっちが良いでしょうか?ガイド山田が聞くと、即答で近い方に
 決まった。長時間潜水でガイド山田も辛そうなので「時間は75分」と言い放ったが、誰も返事はしなかった。

 
ミンピ前からのENで入ると直ぐにインドネシアンダムセル(インドネシアと略)がゴチャっといるがヤノウキは
 見当たらない。緩やかな斜面を降りていくと健康なサンゴが現れ、砂地とサンゴの境目を進んでいく。
 −15mから水平に移動。ここは矢鱈とハナヒゲウツボが居てビックリ。砂地斜面にはヤノダテハゼがあちこちで
 見られエビも黒砂独特の濃い色彩をしている。ホバリング姿を撮ろうとしたけど寄るとやはり着地しちゃうので諦めた。
 被写体を物色していると何か素早く横切るのが目に入った。フラッシャーである。全スズ振フラッシャー愛好会の目は
 鋭く光り素早く撮影体制に入る。様子を見ているとあまり速くないので行けそうな感じ。しかも、婚姻色を出し始めた
 ではないか。近くに居たフラッシャー初心者のトリス君にも声を掛け2人で撮影するが、中々どうして、流石は
 フラッシャーである。こいつ背鰭が1本立っているのでマッコスカーと勘違いし大興奮だったがガイド山田に否定され
 イエローだと判った時点で醒めてしまう。イエローはリパにキャベツ畑に群がるモンシロチョウのようにいるからだ。
 
 イエローと格闘しているとオギノ・トリス組の不審な動きが見えたので近づいて行くとブレーカーを撮っていた。
 おぉ、ブレーカーじゃん!裏テーマの1つで生息は確認済みだがあまり多くは観られないと事前情報で聞かされ
 ていたのでガイド頼りだったけど、簡単に観れるんじゃんよ。てな感じになりオギノ・トリス組が撮り終わるのを待って
 オヤジも撮影に入った。スズメダイのクセにその行動範囲はとても広く、あっち行ったりこっち行ったりで振り回されて
 その美しい姿をフィルムに納めるのは結構大変であった。浅場ではミズタマハゼのペアやインドネシアの幼魚疑惑の
 ある個体などを撮影し、大満足な3本目を終了。潜水時間が自らが85分であった。開いた口が塞がらんな、まったく。
 
アフターダイブ
 3本のダイビングが終了し、部屋へ戻ってシャワーを浴びるのだが「洗濯するやつは最後じゃ」と言われ、明日の
 ためにフィルムの交換や電池の放充電をする。今回色々あって忘れ物が多いのではないかと懸念していたら、電池が
 見当たらなくて焦ってたらトリス君が充電池を貸してくれるというので難を逃れた。初日が終わって落ち着いて荷物を
 ゴソゴソやっていたら小さいメッシュに入った電池が出てきた。那覇空港で電池がX線に写らないから出せと言われて
 出したので、成田でそのような事態を避けるために収納法と収納場所を変更したのをすっかり忘れていたのであった。
 最近、このような記憶喪失的単純健忘が非常に多くなった。これは年のせいではなく長期的亜熱帯生活の後遺症だ。
 シャワーを終えたアサイ・トリスは早速冷えたビンタンを求めミンピ前の雑貨店へ勇んで出かけていった。3年前に来た
 時、アサイちゃんが雑貨店のおばちゃん相手に相互母国語交渉をやってのけ、1本10,000Rpを勝ち取った。
 トリス君はその面白さを噂に聞き、「是非、ライブで見たい」ととても楽しみにしていたのだ。

 シャワーを浴びる前に2人は数本のビンタンを抱えて戻ってきた。首尾は上々とは行かなかったようで不満気な表情。
 何でも、店には長男と推測される男がおばちゃんに張り付き強硬な姿勢で値引きを承諾しなかったらしい。
 アサイちゃんはプンプン。トリス君は相互母国語交渉をライブで見てご満悦だ。早目にシャワーを済ませビンタンで
 乾杯する。さっきの母国語交渉の話になると、「あいつは都会暮しに失敗し、この地へ戻ってきた。気楽にやっている
 母の店に口出しするようになりおばちゃんも迷惑しているが、長男なのでキッパリと言えないんだ」随分と詳しいもので
 そのうち「あの店と土地を担保にして金を借りて地域1のコンビニにしようと企んでいるに違いない」と更に悪者にし
 「1,000Rp位まけてくれも良いじゃん。そんな商売じゃ客が逃げていくぜ。ケチ。」10円未満の攻防は激しさを増す。
 こんなことを話ながらビンタンをグビグビとやる脳天気なオヤジ3人であった。

 夕飯は今夜も隣のホテル。ミンピより安いからであるが味もソコソコ良い。アサイちゃんが「量がすくねぇな〜
 料理人変わったんじゃねぇか?」という。確かに量が少なくなった気もするけど・・・あまり関心のないオヤジである。
 今日はビンタンをたっぷり飲んできたので焼酎にしてもらった。ARAK(アラック)というバリの焼酎で透明な酒で
 香りはちょいとラムのような感じ。飲んでもやや円やかで味もラムっぽくとても飲みやすい。
 料理はガイド山田が見繕って注文してくれるので悩むこともなく助かる。

 料理が出て来ると1品1品写真を撮る。オギノは旅行中の全食事の写真を撮影すると言って機内食も撮っていた。
 撮るのはいいんだけど、あとから名前が出てこないのが悩みの種だ。バリ飯は鶏肉と野菜をふんだんに使い
 揚・煮・焼、どれを食べても美味しい。日本人の味覚と一致していると思う。それの安いことといったら
 6人で腹いっぱい食って飲んでも22万〜25万Rpで済む。日本円で¥3,000以下である。一人¥500以下だ。
 オケアノスもバリでやっていたら大金持ちになれるなぁ〜なんてクダラナイ事を考えた。腹も一杯になり
 焼酎も空いたのでそろそろ解散である。夜もまだ宵の口なので行掛けにもらったターキーを飲もうということになり
 ミンピのレスランでアイスキューブをもらいオヤジ3人でチビチビやり世間話などをして11時過ぎベットへ潜り込んだ。
Next PageTOP
ミンピのレストラン 陸揚げされた漁船。この先がドロップオフ 毎朝掃き掃除をしてキレイにしている