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いつものように起きて朝日を浴びながら散歩がてらレストランへ向かう。あぁ、朝この小道を通って行くのも
 最後か・・・。潜って食って寝ての極楽浄土は手放しがたいが、最初があれば終わりも来る。バリも6日目とも
 なれば、日常化してきて苦というものがなくなってしまう。旅とは「非日常である」が自論なので、日常化しないうちに
 終わったほうが良いのだ。いつものようにABFを注文。トリス・オギノはジャッフルとかいうホットサンドを
 食べたがっていたが本日もなしのようだ。今日は最終日でサヌールへ戻らなくてならないので、1本目のスタートは
 7:30(だっけ?)なので急いで食って準備だ。
 
● 第5日目最終日  リパ 怒涛のフラッシャー3本   気温30度 水温28度 快晴・ベタ凪

 
昨日の教訓を活かし各自が作戦を練っているが、オヤジはロイヤルに燃えていた。ヤツの素晴らしい婚姻色の
 色彩を「ジャスピン・適正露出・画面いっぱい」で撮りたいのだ。しかし、トリス・オギノも静かに燃え、ヤマナシ妻も
 笑顔の下から炎が見え隠れしている。結局みんな狙ってんだよね。珍しいし、美しいから。
 リパで見られるフラッシャー類を整理してみると、正調イエローフラッシャーとフィラメンテッド、イエロー+フィラメ
 ンテッド(特徴の出方が3〜4パターンある)ロイヤル+フィラメンテッド、ウィップフィンフェアリー、ブルーストライプ
 フェアリー、6種類で10パターンほどのフラッシャー&フェアリーラス10〜20数匹で群れとなりその群れが
 10m×10m程の範囲に7〜8群あるので、100匹近いフラッシャー&フェアリーがいることになる。
 バリ広しといえど、このような状態はここだけだそうである。
 以前、ムンジャンガンでピンクフラッシャーのハイブリッドを撮ったのでピンクはバリにいるものだとばかり思って
 いたけど、ガイド山田はきっぱりと「見た事ありません」と言う。同じくロイヤルフラッシャーも生息確認していなくて
 両方ともハイブリッドがいるのは何とも不思議。観賞魚の市場ではフィリピンなどと同様にバリも供給源であるので
 捨てたり、落としたり、逃げたりしてハイブリッドが出来るという推理だけど、ハイブリッドが出来るくらいいるんなら
 1回2回は見るはずだと思う。でも、見たことないというのは・・・理解し難い。
 シークレットベイというところには、バンガイカージナルが現れ居ついているがこれもアブレ観賞魚だ。近くに大きな
 港があってそこから出荷するらしい。年々増えてきて現在はちょっとしたものだと言っていた。本来生息していない
 種が人偽的に運ばれ定着してしまう生態系をもっと真剣に考えねばならん。と改めて思うのだった。
 
 ここは他にもケラマハナダイ、ルソンハナダイ、アンボンクロミス、レイズダムセル、ゴールドスペックジョー、などが
 溢れんばかり生息している。3年前に来た時は縁にウミウシが山のようにいたけど、今回は数匹見たに過ぎず
 不可解な感じもしたが、そんなことはどうでも良いのだ。
 浅瀬のサンゴ群には、クロスダムセル幼成老及び中間が沢山、イチモン、オジロsp?、ミヤコキセン、イエロー
 アクシル、オリオン、グレゴリー系などが次から次へと目の前に現れ至福な時を過ごせる場所である。
 グレゴリーといえば、不明種アイスズメ( Stegstes apicalis)を探してみたが、やはり居なかった。
 別腹系のインディアンバカボンドバタフライやブラックテイルエンゼルもいて、かなりの充実度。
 
 そんなポイントで2本続けて潜り、昼飯のミーゴレンを食べて日陰でマッタリし、再び同所で潜った。3ダイブでフィルム
 3本キッチリと撮影する。3本で108枚。おぉ、108は人間の煩悩の数と一緒じゃん。
 連日の快晴ベタ凪の海で撮影三昧の日々。最後まで我慢強く長時間潜水に付き合ってお疲れ様なガイド山田だが
 結局、アサイちゃんのオリビアシュリンプとオヤジのマッコスカーを見ることは出来なかった。

 3本終了し、濡れたまま器材を車に押し込めてヒデンパラダイスの精算をする。約170万ルピア。すげぇー額だけど
 2泊3日の牛飲馬食代は日本円で一人¥3,800くらい。精算時にルピアが不足してオギノに出してもらう。
 誰かが色々な場面で支払いをするので本人にしか判らなくなってしまっていて、「定額集めてルピアに両替し、森さん
 が支払えば簡単でいいのに」・・・鋭く突っ込まれた。確かにそうなので、次回はそのようにいたしますぅ。
 精算を終え車に向かうと、ニコニコ顔の坂田さんが待っていた。全員が各自の荷物を確認し、忘れ物がないか再度
 チェックしたらサヌールへ向けて出発である。

 
我等がハリーキャラハン号は三菱ディーゼルエンジンを最大に唸らせて快調に爆走する。バリ独特の田園風景が
 眩しい太陽光線に輝きとても美しい。特に山の上から見下ろす景色は、水田の緑と海の青さが美しく、ポストカード
 そのものである。快調に飛ばす坂田さんの顔は真剣で、前を走るバイクに連続的クラクションで抜き去り、うしろから
 近づいて来る車両やバイクには敵対的速度急上昇で対抗する。自論の「南国乱暴運転の法則」は赤道で最大であり
 バリのそれは最大に限りなく近い。ここまで来ると、もはや恐怖は消え去り、法則確認を楽しむようにさえなる。
 やがて田舎から都会に近づき、夕方になり交通量も増しそのうち渋滞になった。渋滞では仕方ない。
 すると、うしろから救急車が近づいてきた。屋根にはピカピカレッドランプが回っているけど、音なしである。
 当然こっちを抜いて行くのだが、抜かれた瞬間坂田さんは救急車の後ろにピッタリ張り付き同じ速度でかっ飛ばす。
 またもや快調にグングン飛ばしていくけど同じことをするやつは居るもので、僅かな隙間を他車に入られてしまう。
 仕方が無いので通常運転に戻るが、暫らく行った赤信号でその救急車は信号停止していた。バリは信号守るんだね。
 患者もちゃんと乗ってるんだけど・・・。驚き。

● サヌールにて                        * 更に詳しく知りたい人はこちらへUNI LOG
 
 約2時間半の爆音爆走ドライブでサヌールの宿泊カミタムホテルに到着。いつもここに前泊してから行っていたので
 懐かしい感じだね。受け付けをして各部屋へ収まっていく。濡れた器材はDIVE&DIVEで干してくれるので助かる。
 オヤジはサヌールの外を歩いたことがないので、夕食はホテル外のレストランにしてもらい受付カウンター前集合。
 部屋へ入って荷物を整理したり、各自の精算を行う。円とアサイちゃんの古い米$しかないオヤジは支払い能力に
 欠け、困り果てアサイちゃんに「ドルでもいい?」って言うと、「戻してどうすんの!」と叱られる。円だと換算が厄介、
 古いドルは戻せない・・・。うぅぅ、、、借りたドルで借りたルピアを返済しようとしてマネーロンダリングの犠牲者となる。
 が、流れに身を任せることにして時間になったので集合場所の受付へ向かった。
 
 
バリ3回目にして初の都会歩き。ワクワクしながらツアコン山田の後をついて行くと暗がりの公園を抜け、門のような
 所を抜けると盆栽が沢山置いてあり、その奥はレストランになっていた。その名も「BONSAI CAFE」。
 店内を抜けていくと道を挟んでテーブルが幾つも並び、その向こうは砂浜である。
 野外テーブル席に座るとダイビングポイントの風とは違った、気持ちの良い海風が頬にあたる。
 またしてもツアコン山田に見繕いしてもらうが、魚介類の網焼きを陳列している現物で指定したりと贅沢する。
 トリス君は、「バリでステーキ食うと80%以上後悔しますよ」の注意も聞かずTボーンステーキを注文。
 「バサバサで不味いやぁ〜」だって。我ままオヤジの後始末は、うろつくバリ犬に向かう。高い餌だ。
 ここでも牛飲馬食で腹パンパン、でも御代は過去の清算金額と大差ないからバリっていいよねぇ〜。

 タムカミホテルに帰り、残っているターキーをやろうと受付の娘にアイスキューブを頼み部屋へ入りシャワーを浴びる。
 ノックの音がするのでドアを開けたら、警備員がアイスキューブを持っていた。・・・申し訳ない。
 アサイちゃんが「泡風呂」をやってみたいというので置いてあるそれ用のソープを入れ「泡風呂」にした。
 入ってから様子を見るとご満悦の様子である。しかし、この後排水のやり方が判らずオヤジ3人は頭を悩めて
 あぁでもない、こうでもないとやってみても一向に排水口が開かず大慌てであったが、故障ということにして落ち着く。
 ターキーも無くなり排水口問題も加味してか、眠気に襲われ爆睡に入る。

 
朝早いのはオヤジの特性である。いつもよりやや遅い朝食にしてあったのでゆっくりとした朝だ。窓下のプールでは
 朝っぱらから水泳をしているOGオジィがいる。寒くないのかね。
 テーブルに全員集合したところで朝食開始。やっぱりアメリカンブレックファーストにした。レストランにはミンピと同じ
 ような制服姿の娘が洗い場で動いていて「あれってやっぱり研修生じゃねぇーか?」と、その問題はやや解決する。
 今日は出発まで自由時間で、午後4時にツアコン山田と落ち合ってDIVE&DIVEへ行って、精算し器材を受け取り
 最後のバリ飯食って空港へ向かう予定になっている。
 オギノ・ヤマナシ妻は「もちろんマッサージよぉ〜」と言い、トリス君も「俺も行こう」という。アサイちゃんは・・・無言。
 オヤジって実はマッサージが大の苦手である。肩こりの味も知らないし、揉まれてもくすぐったいだけで駄目なのよ。
 でも、バリだし折角だから・・・悩みに悩んで一緒に行くことにした。アサイちゃんも来て結局全員でマッサージだ。

 ホテルの周辺には沢山のスパがあるが、1,2分歩いて行った先の愛想の良い客引きに捕まりそこに入った。
 いろいろなコースがあって、アサイちゃん以外はバリ風オイルマッサージを選択し、塗られるオイルを選ぶ。
 アサイちゃんは「おれぁ〜、絶対日本式指圧」。説明文にはストロングと書いてある。相当凝っているらしい。
 それぞれが2時間で足の先から頭の天辺まで丁寧に揉んでくれる。紙パンツなんぞ履かされて、オイル塗り塗りして
 揉まれて、くすぐったいに決まっている!我慢出来ずに時々笑うと按摩女も笑うが、隣部屋からオギノも笑っていた。
 まぁ、気持ち良い時もあったし、初経験もしたので良しとしたが、¥5,000(チップ含)は高いよなぁ〜。

 身も財布も軽くなり、昼食をとって土産を買いにデパートへ行った。デパートと言っても小規模なダイエーみたいで
 それ程大きい訳でもないが、雑貨から食品まで万遍なく置いてあるので見物だけでも楽しい。
 集合場所と時間を決めてバラバラになるが何故か最後は食品売り場に全員いる。このデパートではルピアしか
 使えないと聞き、正面の両替屋へ向かう。バリは至る所に両替屋があって若干レートが違ったりもする。
 オヤジは借金もあることだし、思い切って古20ドル札を差し出してみた。バリは偽ドル札が沢山出回っていて
 古いドル札が使えないことが多いのだ。両替屋のオヤジは笑顔で約17万ルピアを渡してくれた。
 
 4時にはツアコン山田が到着し、坂田さん運転のキャラハン号でDIVE&DIVEへ向かう。店内に入るとダイスケ君が
 元気満点な笑顔で迎えてくれる。彼も頑張っているねぇ〜。
 精算し、Tシャツを買ったりしたがナイトダイブの精算時アサイちゃんの出したドルは「古いのは駄目」と返された。
 干してくれた器材を片付け収納し店のドアに全スズ振のステッカーを貼らせてもらう。出発時間の関係で早い夕食を
 とる為に店を後にする。10分ほどクネクネ道を走り着いたレストランは高級感いっぱいなレストラン。値段も高いが
 とても美味しく、またしても鱈腹飲食をしてしまう。バリ飯は本当に美味しいよねぇ〜。家でもそれらしいの作るけど
 沖縄で食べてもね。やっぱり現地で食べなきゃ。自論「地の人に会い、地の食べ物で地の酒を飲む」これが旅。

 いよいよ楽しかったバリともお別れである。空港外で記念撮影などしてガイド山田にさよならグッバイ握手をして
 チェックカウンターへ向かう。ガイド山田は今頃鼻歌混じりでスキップしてるに違いない。
 空港内では全てが滞りなく進展していく。こんなこと今までに無かったけど、、、まぁ、いいや。
 割と時間がなくて空港内では買物もあまり出来ず、早くからゲート内に入って待っていると何と時間通りに出発した。
 帰りはジャカルタ経由で面倒だったけど、順調な飛行で爆睡できた。
 成田にもスムーズに着陸し、飛行機嫌いのオヤジは一安心。ロビーで一応の解散式を行う。
 空港外に出ると、いつもよりやや暖かく柔らかな日差しの中、久しぶりに日本の青空を眺めた。     おわり。
 
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盆栽カフェ。周りはOGだらけ 泡風呂にご満悦なアサイちゃん スパの受付の様子。 昼間のタムカミホテル DIVE&DIVEスタッフの面々
ドライバー坂田さん。んー、クリソツ 最後のバリ飯はちょっと高級 山田道彦と記念撮影 バリともお別れが近づく。。。寂しいねぇ 夜中ジャカルタで待っているのは辛いね

 リポートとダイビングを一緒にしてみたら、やたら長くなってしまい反省しています。
 そしてこの長い文章に付き合って頂き誠に感謝いたします。
 ツアーを成功させるにあって、ギリギリまで要望を聞いていただいた
 スクーバワールドの石橋さん。バリでのだらだら長時間潜水に我慢強く
 付き合ってくれたDIVE&DIVE 山田道彦氏。坂田さんを含むドライバーの人たち。
 ミンピトランバン、ヒデンパラダイスの人々。ツアーに関わった多くの人達に
 この場をかりて感謝とお礼を述べます。

 ありがとうございました。また来年もツアーやります?  OCEANUS店主